資産形成・積立術

人口減少社会のマイホームの買い方2026:不動産価格の二極化と空き家900万戸時代に資産価値を守る立地選び

📅 公開日:2026年9月7日 ⏱ 読了時間:約12分
日本の人口は、2026年時点で約1億2,286万人。前年と比べて40〜60万人の規模で減少し続けています。国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計によれば、2070年には総人口が8,700万人まで減少し、65歳以上の人口比率は39%に達する見通しです。

一方で、総務省『住宅・土地統計調査』(2023年)によれば、全国の空き家は900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。1978年の7.6%から一貫して上昇を続ける長期トレンドです。

こうした中、不動産市場では「二極化」が鮮明になっています。都心部・人気エリアでは人口・雇用の集中が続き価格は高値を維持する一方、地方・郊外では需要減少により価格調整が進んでいます。

人口が減り続ける社会では、マイホームの「立地選び」が従来以上に資産価値を左右します。この記事では、人口減少の実態・空き家問題の現状を踏まえた上で、将来も資産価値を守るための立地選びの指針を解説します。
📖 目次
  1. 日本の人口減少はどこまで進むのか?2070年の未来予測
  2. 人口減少が引き起こす不動産市場の「二極化」
  3. 空き家900万戸時代の現実:全国7軒に1軒が空き家
  4. 人口減少社会でマイホームを買うなら「立地」が全て
  5. 「持ち家vs賃貸」の判断基準も変わる:資産価値から考える選択
  6. まとめ:将来も需要が見込める立地を優先する時代へ

日本の人口減少はどこまで進むのか?2070年の未来予測

2026年の現在:毎年40〜60万人の人口が消えている

総務省統計局の人口推計によれば、2026年の日本の総人口は約1億2,286万人です。前年同月比で40〜60万人規模の減少が続いており、これは地方都市ひとつ分の人口が毎年消えていることに相当します。

この人口減少は一時的な現象ではありません。出生数の減少と高齢化の進行により、今後数十年にわたって継続することが確実視されています。

2070年の日本:人口8,700万人・65歳以上が39%

国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計では、2070年の日本の姿が以下のように予測されています。

項目 2026年(現在) 2070年(推計) 変化
総人口 約1億2,286万人 約8,700万人 ▲3,586万人(▲29%)
65歳以上人口比率 約29% 約39% +10ポイント
15〜64歳人口(生産年齢) 約7,400万人 約4,500万人 ▲39%

2070年には、現在から約3割の人口が減少し、3人に1人以上が65歳以上という社会になります。特に注目すべきは、働き手となる15〜64歳の生産年齢人口が約4割減少する点です。

人口減少は「地方だけの問題」ではない

人口減少というと「地方の過疎化」をイメージする方も多いでしょう。しかし実態としては、東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)でさえも、2030年代以降は人口減少局面に入ると予測されています。

地方では既に人口減少が顕在化していますが、今後は都市部でも程度の差こそあれ人口減少が進みます。マイホーム購入において「人口が増え続けるエリア」を探すことは、年々難しくなっていくのです。

人口減少が引き起こす不動産市場の「二極化」

都心部は高値維持、地方・郊外は価格調整

人口が減少すると、不動産の需要も減るため価格が下がる——。理屈の上ではそうですが、現実の不動産市場ではエリアによって全く異なる動きが起きています

都心部・人気エリアでは、人口の集中が続いています。地方から都市部への人口流入、利便性の高いエリアへの集住が進んでおり、こうしたエリアでは不動産価格は高値を維持、あるいは上昇基調にあります。

一方、地方・郊外では人口減少と高齢化が進み、住宅需要が減少しています。新築供給が続く中で需要が減るため、価格調整(下落)が進むエリアが増えています。

📊 不動産価格の二極化の構造

「駅近」「都心アクセス」の価値が高まる理由

人口減少社会では、限られた需要が「利便性の高いエリア」に集中する傾向が強まります。

具体的には、以下のような立地が選ばれやすくなります。

逆に、駅から遠い、車が必須、周辺に商業施設がない、といった立地は、将来的に需要が減少し資産価値が下落するリスクが高まります。

「新築だから安心」ではない時代

従来は「新築を買えば資産価値が保たれる」と考えられていました。しかし人口減少社会では、新築かどうかよりも「どこに建っているか」が資産価値を左右します

需要が見込めないエリアの新築住宅は、購入直後から資産価値が大きく下落し、将来的に売却が困難になる可能性があります。一方、立地が良ければ築年数が経過しても一定の需要があり、価格も下落しにくい傾向があります。

空き家900万戸時代の現実:全国7軒に1軒が空き家

空き家率13.8%、過去最高を更新

総務省『住宅・土地統計調査』(2023年)によれば、全国の空き家数は900万戸に達しました。総住宅数に占める空き家率は13.8%で、過去最高を記録しています。

これは、全国の住宅7軒に1軒が空き家という計算になります。

調査年 空き家数 空き家率
1978年 268万戸 7.6%
2003年 659万戸 12.2%
2018年 849万戸 13.6%
2023年 900万戸 13.8%

「本当に活用されていない空き家」は385万戸

空き家900万戸の内訳を見ると、以下のように分類されます。

このうち「その他の空き家」385万戸は、総住宅数の5.9%に相当します。相続後に放置された実家、転居後に売却・賃貸に出されていない住宅など、本当の意味で誰も住んでいない・活用されていない住宅です。

空き家問題が不動産市場に与える影響

空き家が増え続けると、不動産市場にはどのような影響があるのでしょうか。

マイホームを購入する際、そのエリアが将来「空き家だらけになるリスク」を考慮する必要がある時代になっています。

人口減少社会でマイホームを買うなら「立地」が全て

資産価値を守るための立地選び5つの指針

人口減少・空き家増加が進む中でマイホームを購入するなら、「将来も需要が見込める立地」を選ぶことが最優先です。

以下に、資産価値を守るための立地選びの指針を示します。

① 駅近(徒歩10分以内)を優先する

駅からの距離は、不動産価値を左右する最も重要な要素のひとつです。人口減少社会では、利便性の高い駅近物件に需要が集中する傾向が強まります。

② 都心・主要都市へのアクセスが良いエリアを選ぶ

雇用の中心地である都心・主要都市へのアクセスが良いエリアは、人口減少下でも需要が維持されやすい傾向があります。

③ 生活利便施設が充実しているエリアを選ぶ

スーパー・病院・学校・公共施設などが徒歩圏内にあるエリアは、子育て世帯・高齢世帯どちらにも需要があります。

④ 再開発・インフラ整備が予定されているエリアを選ぶ

駅前再開発、大型商業施設の誘致、道路・鉄道の新設などが予定されているエリアは、将来的に利便性が向上し資産価値が上がる可能性があります。

⑤ 人口動態を確認する

購入を検討しているエリアの人口動態(増えているか減っているか)を確認することも重要です。

⚠️ 地方・郊外での新築購入のリスク

地方・郊外で新築一戸建てを購入する場合、以下のリスクを考慮する必要があります。

地方・郊外で購入する場合は、「一生住み続ける前提」で判断し、将来的に売却・住み替えを考えている場合は慎重に検討すべきです。

空き家・中古住宅を活用する選択肢

一方で、地方の空き家・中古住宅は、価格面で有利に購入できる可能性があります。

ただし、こうした物件は「資産価値を保つ」ことを期待するのではなく、「自分が住むための場所」として割り切ることが前提となります。

「持ち家vs賃貸」の判断基準も変わる:資産価値から考える選択

「マイホーム=資産」という前提が崩れるケース

従来、マイホームは「資産になる」と考えられてきました。しかし人口減少社会では、立地によっては購入後に大きく価値が下落し、「負債」になるリスクがあります。

特に以下のようなケースでは、マイホーム購入が資産形成にマイナスになる可能性があります。

持ち家と賃貸、それぞれのメリット・デメリット

人口減少社会における持ち家と賃貸の比較を、公平に整理します。

項目 持ち家 賃貸
資産性 立地が良ければ資産になるが、立地が悪いと大幅な値下がりリスク 資産にはならないが、下落リスクもない
柔軟性 転勤・ライフスタイル変化に対応しにくい(売却・賃貸が必要) 転勤・引っ越しが容易
コスト ローン完済後は居住費が抑えられるが、修繕費・固定資産税は継続 家賃は一生払い続けるが、修繕費負担なし
住環境の自由度 リフォーム・改築が自由 制約が多い(原状回復義務)
高齢期のリスク 住む場所が確保されている安心感 高齢になると賃貸契約が難しくなる可能性

賃貸を選ぶことも合理的な選択肢

人口減少社会では、「賃貸を選び、浮いた資金を投資に回す」という選択も合理的です。

💡 モデルケース(仮想シミュレーション)
⚠️ 以下のケースはすべて仮想の人物設定によるシミュレーションです。実在の人物・事例ではありません。数値は概算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。

Aさん(32歳・会社員)
・持ち家を購入せず、賃貸住宅に居住
・家賃:月10万円
・持ち家購入なら頭金+ローンで月15万円の負担だったため、差額5万円を毎月積立投資に回す
・年利5%で30年間運用した場合

シミュレーション結果(想定)
月5万円 × 12ヶ月 × 30年 = 元本1,800万円
年利5%複利運用 → 約4,160万円

Aさんは持ち家を持たない代わりに、約4,160万円の金融資産を形成。この資産で老後の住居費や生活費を賄うことができる。

一方、持ち家を購入した場合、住宅ローン完済後は「住む場所」が確保されますが、金融資産の形成が遅れる可能性があります。どちらが正解かは、個人の価値観・ライフスタイル・居住エリアの将来性によって異なります。

人口減少社会での判断基準

人口減少社会において、持ち家を購入するか賃貸を選ぶかは、以下の視点で判断することが重要です。

「持ち家が正解」「賃貸が正解」という一律の答えはありません。人口減少という環境変化を踏まえて、自分にとって最適な選択を考えることが大切です。

まとめ:将来も需要が見込める立地を優先する時代へ

この記事では、人口減少社会におけるマイホームの買い方について、以下のポイントを解説しました。

人口減少社会では、「どこに住むか」の選択が、資産価値を大きく左右します。

マイホーム購入を検討する際は、目先の価格や新築かどうかだけでなく、「このエリアは20年後、30年後も需要があるか?」という視点を持つことが重要です。

また、マイホーム購入が必ずしも正解とは限りません。賃貸を選び、浮いた資金を投資に回すことで、より柔軟で豊かな人生設計ができる可能性もあります。

人口減少という大きな環境変化を踏まえ、自分のライフスタイル・価値観・資金計画に合った選択をすることが、将来の後悔を防ぐ最善の方法です。

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⚠️ 免責事項

本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の不動産物件の推奨や、不動産購入・賃貸選択に関する断定的判断を提供するものではありません。人口推計・不動産市場の動向は将来の確実な予測ではなく、実際の状況は予測と異なる可能性があります。マイホーム購入や住居選択に関する最終的な判断は、ご自身の状況・価値観・資金計画を踏まえ、必要に応じて不動産専門家・ファイナンシャルプランナー等にご相談の上、ご自身の責任で行ってください。本記事の情報に基づく判断によって生じたいかなる損害についても、当編集部は一切の責任を負いかねます。

データ出典:総務省統計局『人口推計』、国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(令和5年推計)』、総務省『住宅・土地統計調査』(2023年)